女優。本名、石島久(いしじまひさ)。前芸名、原緋紗子。静岡市西深町出身。3歳で父を亡くし、銀行員の長兄に育てられる。不二高等女学校（静岡双葉高等学校）卒業。母が、久を独立できる女性にしたいと願ったため、すぐに上京し昭和8年(1933)前進座に所属。原緋紗子の芸名で新橋演舞場の｢牛を食う｣の町娘役で初舞台を踏む。前進座では「石川啄木の妻」の啄木の妻を演じ当たり役とする。昭和12年(1937)同劇団の俳優俳優石島房太郎と結婚。この間、「街の入墨者」「人情紙風船」など映画に出演。昭和19年(1944)東宝専属。昭和27年(1952)｢高原の悲歌｣から原ひさ子と改名。昭和36年(1961)イブ モンタン主演の｢青い目の蝶々さん｣にメイド役で出演。同年NHKの教育番組で｢良太の村｣でおばあさん役を演じてからは、おばあさん役の名脇役として知られる。平成元年（1989)には、芸団協 芸能功労者賞を受賞。平成11年(1999)にはニューヨーク タイムズに｢日本の最高齢女優｣として紹介される。また、バラエティ番組でも活躍。65歳で小唄、70歳で俳句を始め、平成12年(2000)90歳で初の著書「ばばさまの俳句は日記つれづれに」を刊行。遺作となった竹中直人監督「サヨナラCOLOR」が公開中に96歳で死去、最後まで現役で活動した。主な出演映画･TV：「コメットさん」、「時間ですよ」、「太陽にほえろ」、「渡る世間は鬼ばかり第１シリーズ」、「悪魔の手毬唄」、「青い山脈」、「或る夜の殿様」、「月がとっても青いから」、「沖縄の民」、｢第五福竜丸」、「柳ケ瀬ブルース」、「はつ恋」、「黒い雨」、「ファンシィダンス」、「河童」、「ワンダフルライフ」、「三文役者」、「中学生日記」、「ひとつ屋根の下」、「もしも願いが叶うなら」、「踊る大捜査線」、「ロングバケーション」、「オヤジぃ。」など多数。