覚成院(かくせいいん)    創建:寛永11年(1634)

場所:台東区上野公園16-2
アクセス:JR鶯谷駅南口から上野公園方向に約100mの交差点を左に曲がる。道なりに約200mT字交差点を右に曲がり10m右側。輪王寺裏手に当たる。

天台宗。東叡山寛永寺。本尊:薬師如来木像。忠俊僧正の開基。寛永寺の子院の一つで、 国立博物館の東側に他の子院 14寺と共に団地を構成している。 雅楽頭、 上野国厩橋藩2代藩主(大老)酒井忠世(1572-1636)公が、 開基忠俊に帰依し、創建した。以降歴世より食料・資金を布施。 宝永元年(1704) 式部大輔榊原政邦公が檀家となり、毎年20 人扶持を布施した。正徳3年(1713)信濃守小笠原長圓公が檀家となり、毎年15人扶持を布施した。寛延元年(1748)大久保、 田沼、 両侯新に檀家となる。嘉永4年(1851)および安政3年(1856)版の古地図では、現在の東京芸術大学の中、または旧京成博物館動物園駅の辺りに在った。慶応4年(1868)戊辰戦争のため焼失。明治18年(1885)上野桜木28(護国院前辺り)に再建。明治35年(1902)上野桜木47(谷中霊園桜木側入り口を入り右奥のかなり崖に近い辺り)に移築。たぶん廃寺となった顕性院の跡に移ったものと思われる。さらに大正3年(1914)9月現在地に移築。

※ 上野忍岡遺跡群(うち芸大辺りの部分)の発掘調査により礎石建物2棟以上、地下室3基、井戸2基など多数の遺構群を検出したが、これらのものは、覚成院に関わるものと考えられている。

※ 覚性寺(池之端2-1-17)と間違えやすい。