小川松民(おがわしょうみん)    弘化4年〜大正9年5月30日(1847-1920)

    蒔絵師。東京出身。本名、小川繁次郎。父、煙草入金具師小川忠蔵。江戸出身。文久2年(1862)蒔絵を中山胡民に、光琳絵画を池田孤村に学ぶ。明治3年(1870)浅草馬道に蒔絵師として独立。古典絵巻を研究し光琳派の技法を受け継ぎ複製を得意とした。明治9年(1876)フィラデルフィア万国博覧会視察のため家財を売り払って渡米。明治10年内国博覧会に蒔絵茶箱を出展し、龍紋賞牌を獲得。明治12年法隆寺の代物片輪車の手箱を模造。博物局農務省の依頼により各種模造制作と修理を行う。明治23年(1890)東京美術学校教授。明治24年(1891)柴田是真らと日本漆工会を創立。遺品は国立博物館に保存されている。

墓は、乙10号9側。没年は墓誌から大正9年(1920)であることは確かだが、多くの資料は明治24年(1891)または25年(1892)となっている。明治24年(1891)に没したのは同僚の柴田是真であって混同したのではないだろうか。