奥村一洲(おくむらいっしゅう)     明治3年〜昭和27年12月23日(1870-1952)

    数奇の茶人。本名、奥村邦太郎。号、藤実庵一洲。駿河沼津藤井家の二男。幼くして奥村家の養子となる。茶道を好み、川部宗兼に師事。のち表千家家元惶斎宗匠に師事、その道の皆伝を受ける。博識多才で古美術鑑識にも秀で、名作釜の所蔵をもって知られる。室生流謡曲や書を好んだ。画は菊池玉王に学ぶ。豪徳寺梶川厳堂禅師に学び、茶禅一味の幽境を悟る。上富阪邸内の三畳台目席の席名”藤実庵”は大徳寺牧宗和尚の命名。石灯篭は大聖寺前田子爵家より移すなど、幽寂高雅近代の名席と称される。戦後は北区豊島の仮庵に住む。83歳。

墓は、谷中霊園 甲9号19側。ぎんなん通りに面する。正面「奥邨累世墓」。奥村昌子建之の「藤実庵 奥村一洲翁之碑」がある。墓誌はない。