谷中・桜木・上野公園裏路地ツアー　大久保主水／大久保忠行・蓮台院・大久保忠元・大久保忠辰・大久保忠武

大久保主水(おおくぼもんと)　　　　？～元和3年7月6日(?-1617）

　　　　三河大久保薫三十六騎の一人･江戸水道の創始者。名、忠行。通称、籐五郎。父、大久保忠茂(五男)。愛知出身。家康に仕え録300石を受ける。永禄年間に上和田の役(三河一向宗の乱)で三十六騎の一人とされ功績を上げるが、傷つき一線を退き、主水は甘いもの好きで菓子作りをしていたが、自作の菓子を家康に献上したところ大いに喜ばれ、幕府御用達の菓子司となった。あるとき、家康が浄水を求め、忠信が井之頭の池水を献上したところ喜び、家康が江戸に入るに先ち江戸上水の経営を命じた。天正18年(1590)家康の命を受けた大久保忠行が、井の頭池、善福寺池から小川町まで3ヶ月の短期間で引水に成功した。神田上水の始まりである。この功績により「主水：もんと」という名を家康から頂戴した。敢えて「もんど」と濁らない。これが神田上水で、我が国の水道の初めである。「水道水で産湯を使い・・・」は、江戸っ子の自慢であった。瑞林寺の境内の八角の井戸は、菓子製造用として子孫の大久保田忠記が天保6年(1835)に掘って碑を立てた。

　墓は、瑞輪寺(谷中4-2-5)。山門を入り鐘楼の手前を案内にしたがって左に行き、八角井戸の脇を通り突き当たり。標石｢大久保忠行之墓｣。その隣り宝篋印塔正面｢清浄院殿蓮乗法修日富｣。さらに右隣りは、忠行の妻、蓮台院月宝尼墓。その右は、甥養子の2代大久保忠元墓｢宝乗院殿｣。その隣りは、3代大久保忠辰夫婦墓｢寿天院殿長古日照居士｣。並びの最も右側は、4代大久保忠武夫婦墓｢久成院殿道寿日長居士｣。5代以降は、誓願寺に墓がある。主水墓は、都指定史跡。