谷中・桜木・上野公園裏路地ツアー　三遊亭円生・初・1･2･3･4代

三遊亭円生（さんゆうていえんしょう）・初代　　　　明和5年～天保9年3月21日(1768-1838)

　　　　落語家。通称、橘屋松五郎。江戸神田出身(説)。寛政9年(1797)ころ山遊亭猿松（さんゆうていえんしょう）を名乗った。初代烏亭焉馬(うていえんば)に入門。立川焉笑を名乗る。諸説があるが、少なくとも寛政年間末(1800ころ）か文化年間の初め(1804ころ)には三遊亭円生を名乗っていたものと思われる。結果的に三遊亭派の開祖となった。門下に2代三遊亭円生・初代古今亭志ん生・初代金原亭馬生がいる。浅草の堂前（どうまえ）に住んでいたので「堂前の師匠」と呼ばれていた。71歳。

三遊亭円生（さんゆうていえんしょう）・2代　　　　文化3年～文久2年8月12日(1806-1862)

　　　　落語家。江戸本所出身（説）。父、尾形源蔵。本名、尾形清次郎または清治郎。通称、盤蔵。初代円生に入門。はじめ芸名は三升屋しげ次、のち竹林亭虎生（ちくりんていこしょう）、三遊亭花生、初代橘家(立花家とも)円蔵を経て、天保11年(1840)ころ2代三遊亭円生を襲名。頭の形が木魚（もくぎょ）に似ていて四谷に住んでいたことから「よつもく」と呼ばれた。怪談噺を得意とした。門下から初代三遊亭円朝をだした。円朝にはつらく当たったとされるが、円朝は晩年病気で不遇となった円生一家の世話をしたという。これが、円朝墓の隣に円生墓をもってきた謂れではないだろうか。57歳。

三遊亭円生（さんゆうていえんしょう）・3代　　　　天保10年～明治14年8月16日(1839-1881)

　　　　落語家。本名、野本(のち嶋岡)新兵衛。はじめ、「のしん」という歌舞伎役者だった。噺家に転じて安政の末(1859)ころ4代桂文治に師事、万治と名乗る(説)。慶応3年(1867)ころ初代三遊亭円朝の門下となり、初代三遊亭円楽となる。明治5年(1872)(説)3代目円生を襲名。初代三遊亭円馬、初代三遊亭円橘、3代目三遊亭円喬（後の4代目三遊亭円生）と並んで「円朝四天王」の一人。芝居噺を得意とした。43歳。

三遊亭円生（さんゆうていえんしょう）・4代　　　　　弘化3年8月～明治37年1月27日(1846-1904)
　　　　　落語家。本名、立岩勝次郎。江戸出身。越前屋宗次郎（次男）。6歳で小間物屋の伯母の養子となり、14・15歳のころから小間物の行商をしたが嫌い、怠けたため勘当され、19歳で初代三遊亭円朝の門に入り鯉朝（りちょう）と名乗る。22歳で師匠より2代小円太の名を譲られたが、27歳のとき布団屋の婿になり噺家を廃業し、芝居茶屋を始めたが失敗、離縁される。明治7年(1874)噺家に復帰し、明治8年(1875)3代三遊亭円喬（えんきょう）となる。この頃「円朝四天王」の一人と呼ばれた。明治15年(1882)4代三遊亭円生を襲名。円朝の没後、三遊亭派を率いた。｢三助の遊び｣など廓噺、人情噺を得意とした。59歳。

三遊亭円生（さんゆうていえんしょう）・5代　　　　　明治17年10月～昭和15年1月13日(1884-1940)
　　　　　落語家。本名、村田源治。千葉県出身。4代橘家円蔵に入門。明治45年(1912)円窓に改名し真打。大正4年(1915)渡米し、各地を巡演。大正11年(1922)5代円蔵。大正14年(1925)5代円生。"デブの円生"として親しまれた。57歳。

墓は、全生庵（谷中5-4-7）。三遊亭円朝墓右隣り。初代から4代までの合祀墓。全生庵の創建が明治13年(1880)だから、少なくとも初代と2代は他所から改葬されたことは確実だが、墓碑銘の表示から推すと、明治33年(1900)に三遊亭円朝が亡くなったのちの明治37年(1904)に4代三遊亭円生が亡くなったときに合祀にしたのではないだろうか。なお、5代目以降は他所。6代目は、世田谷区北烏山永隆寺。