谷中・桜木・上野公園裏路地ツアー　塩谷大四郎

塩谷大四郎(しおやだいしろう)　　　　明和6年～天保7年9月8日(1769-1836)

　　　　徳川期の利水役幕臣・西国郡代。名、藤原惟寅(これのぶ)のち藤原正義(まさよし)。俳号、助廉(じょれん)･五村･呉村･五損。父、幕臣粟津清喬(二男)。江戸出身。天明8年(1778)家禄25俵微禄の御勘定塩谷奉正(ともまさ)の養子となる。寛政4年(1792)御勘定に採用され、切米100俵となる。寛政8年(1796)御勘定吟味改役。寛政12年(1800)代官に任命され、丹後但馬5万石の幕府領支配を命じられ、役高150俵となる。この年赴任地丹後国熊野郡久美浜(京都府)での民政の実績をあげ、文化2年(1805)に支配地は6万石に増加した。同9年には、摂津藩磨支配の代官となり、大坂堤奉行廻船役および御蔵御取締役となる。代官としての手腕が認められ、文化13年閏(1816)8月九州の天領10万石支配の代官となる。翌14年(1817)大分日田陣屋に着任し、荒れ地を開墾し、農民生活向上のため水路・道路開発事業に携る。文政4年(1821)5月西国郡代に昇任。｢聞驚津計子(きいておどろくつけこ)｣と｢孝行和讃｣を著し、村々に配布し村民の教育に尽力した。また、盲人福祉にも力を入れたが、一方、万事賂を取るなどの面もあったという。のち、西の丸留守居役。68歳。明治45年(1912)贈正五位。

墓は、妙情寺墓地（谷中1-5-5）。中央通路を２／３程行った左側。正面「唯一院殿成善日道居士／進善院殿妙道日慎大姉」。