自性院(じしょういん)     創建:慶長16年(1611)

場所:台東区谷中6-2-8
アクセス:千代田線根津駅下車。言問通り側出口より、言問通りの善光寺坂を上がる。上がりきった谷中6丁目の信号(一乗寺角)を左に入り、突き当りを右に折れ、すぐ左側。

本覚山愛染寺自性院。本所弥勒寺末。新義真言宗。"俗に愛染寺といわれ"とされるが、向拝には"愛染寺"の大きな額がある。新義真言宗。本尊は、両部大日如来。安置されている木造阿弥陀如来坐像は、台東区有形文化財に指定されている。高さ37cmの寄木造りで、室町時代の承応30年(1423)の作。また、木造不動明王立像も台東区の有形文化財で、鎌倉時代初期の作と推定されている。また、安置されている愛染明王は、元文年間(1736-1741)9世の貫海和尚が高野山で修行したとき愛染明王に感得し、帰国後境内の楠の大木で高さ1mの像を彫ったとされる。道意により神田に創建され、慶安元年(1648)現在の地(旧谷中上三崎南町2番地)に移る。川口松太郎の「愛染かつら(あいぜんかつら)」のモデルとなった桂の木(写真)が境内にある。昭和59年(1984)本堂・客殿・庫裏を新築。江戸御府内五十三番札所でもある。道路際の枝垂れ桜が美しい。

※ 真言宗の谷中のお寺が揃って慶長16年となっているが、明治10年(1877)の入谷区の調査資料では、揃って開山開基不明となっている。

下記のお墓がある。

水戸黄門に仕えた書家三国筆海堂(真木正心)墓が、山門右にある。