水野年方(みずのとしかた)    慶応2年1月20日〜明治41年4月7日(1866-1908)

    明治の浮世絵師。通称、条二郎。江戸神田紺屋町出身。左官を家業としたが、幼年より絵を好み、浮世絵師月岡芳年(つきおかよしとし)に師事し、条野採菊の発刊した「やまと新聞」のさし絵で名を高める。同門に稲野年恒、右田年英(1863-1925)、坂巻耕魚(1869-1927)、竹内桂舟(1861-1943)らがいる。門弟に鏑木清方、荒井寛方(1878-1945)、池田輝方(1883-1921)、大野静方、中山秋湖、佐藤耕方(こうほう:1888-1937)らがいる。作品:「今様美人十二」、「新案婦人風俗双六」、「藤娘」など。43歳。

墓は、谷中霊園甲10号6側。当該ブロックの北側。夏はつる草におおわれてわかりにくい。石塔の文字はほとんど判別できない。線香台に「野水」とあるのみ。灯篭形の顕彰碑が東京都千代田区神田の神田神社にある(千代田区指定文化財)。弟子筋にあたる鏑木清方や荒井寛方らによって建てられた。なお、条野採菊と鏑木清方は親子。
※ 無縁撤去危惧墓