谷中・桜木・上野公園裏路地ツアー　佐々木弘綱･佐々木光子

佐々木弘綱（ささきひろつな）　　　　文政11年7月16日～明治24年6月25日(1828-1891)

　　　　歌人･国文学者･万葉集研究者。名、時綱･弘綱。通称、習之輔。号、鈴山（りんざん）･那木園(なぎぞの)･椰園･竹柏園(なぎぞの)。父、佐々木徳綱。母、佐々木鳰子(におこ：1797-1868.1.7：伊勢国鈴鹿郡武備神社祠官田上等安の娘)。伊勢出身。17歳で千種の詠歌をもつ。20歳で本居派の碩学足代弘訓(あじろひろのり)・井上文雄に師事。28歳で｢雅言俗解｣を著わす。黒川春村･間宮永好らの先輩と親交する。安永5年(1858)大坂に移り、万延元年(1860)｢類題千船集｣を刊行。この年招かれて津藩藩校有造館の教授。明治15年(1882)東京に移り、東京帝国大学文学部古典科講師となる。明治16年(1883)東京大学編纂方となる。明治17年(1884)東京高等師範学校御用掛。物語類などの古典解釈と歌道の普及に務める。64歳。子に佐々木信綱がいる。著書：「竹取物語俚言解」｢万葉集俚言解｣｢枕詞便覧｣「弘綱日記」「明治開化和歌集(抄)」など。信綱と「日本歌学全書」を編纂。

※　辞世：「命あらば嬉しからまし　もしなくばそれもすべなし　神にまかせむ」。

佐々木光子(ささきみつこ)　　　　　嘉永3年～明治27年9月20日(1850-1894)

　　　　　歌人。父、伊勢国神戸藩本多忠恒(ほんだただつね：1656-1704)家臣岡本喜藤司。明治3年(1870)佐々木弘綱と結婚。東京に住む。歌は、夫に学ぶ。45歳。

※　夫の一周忌に歌った歌：「こぞ春はともに花みしこの岡に　たま祭するけふのかなしさ」。

墓は、谷中霊園甲8号7側。さくら通りから東へ約30m。正面｢佐々木弘綱大人／佐々木光子刀自　墓｣。子佐々木信綱墓は隣り。