谷中・桜木・上野公園裏路地ツアー　山口鋠

山口鋠（やまぐちしん）　　　　安政3年～明治35年2月2日(1856-1902)

　　　　陸軍の雪中行軍中八甲田山にて遭難した少佐。陸軍第5連隊第2大隊長。東京出身。後備陸軍工兵中佐成沢知行の弟。東京外国語学校フランス語科を経て陸軍士官学校に入る。明治14年(1881)少尉。明治18年中尉。明治24年(1891)歩兵19連隊大隊副官。結婚後明治25年(1892)山口家の養子となる。先に山口家に嫁いだ姉の照子が急死し、夫婦養子となった。明治32年(1899)少佐。明治35年(1902)1月23日八甲田山において雪中行軍訓練中に遭難。青森第5連隊大隊長として行軍の指揮を執った山口鋠は捜索隊に救助されたが、多くの部下を死に至らしめた責任を感じ、見舞に来た兄知行に「諸事報告終了次第、然るべく身を処する」と言い残し、収容された病院で自決。実子なく兄知行の四女鶴代を養女とする。

※　凍傷の指で拳銃の操作は不可能である事から、他殺説もある。

墓は、谷中霊園　乙4号5側(飛び地があるが高地側)。菊地松軒墓のとなり。正面｢陸軍歩兵少佐正六位勲五等功五級山口鋠墓｣。兄、成沢知行(1848-1929.10.25)の墓は、乙1号3側にある。姉照子(明治25年3月17日歿)および鶴代(昭和14年9月18日歿、55歳)墓は、隣接する｢先祖代々之墓｣に合祀されている。墓誌あり。