金嶺寺(きんりょうじ)     創建:寛永17年正月(1640)

場所:   台東区谷中1-6-27
アクセス: 地下鉄千代田線根津駅から言問通りを東に上り、善光寺坂を上りきったところの一乗寺角の信号を左に入る。突き当りを左に曲がった突き当り。千駄木駅からは三崎坂を上がりきり、左側の観智院(初音幼稚園)前の道を右に入り、突き当り右側。

    倍増山宝城院金嶺寺。天台宗。本尊は、阿弥陀如来像。寺号は天海僧正の命名。慶長16年(1611)神田北寺町に境内地を拝領し、寛永17年(1640)に開基、慶安元年(1648)に御用地立退き命令で当地(旧谷中村61番地)に移転する。明治2年(1869)延暦寺松寺となる。かつては、本堂には、阿弥陀如来(恵心僧都作)が、不動堂には、不動尊像(慈覚大師作)、如意輪観音堂には、如意輪観音像(慈覚大師作)が祀られていた。戊辰戦争で仏像や古書類を焼失、このため開祖いきさつや開基の姓名は不詳。のち、寛永寺一山の常照院から本尊阿弥陀如来木像をお迎えし、 明治27年(1894)に本堂を再建。江戸三十三観音霊場の第31番札所でもある。

     山門正面の繁みの中に、明治の劇作家幸堂得知の"髭塚"がある。かつては、幸堂得知の墓も墓地内にあった。塚には「散る花の中に一本桜かな 得知」とある。

墓地に眠る著名人は、新派俳優高田実・女優原ひさ子・書家北爪有卿・儒家浪華蓉峰など。